M.S
工業高校出身 先輩社員Interview
高所作業車にあこがれた幼少期。 技能を磨いて、 電力インフラを担う存在へ。
高所作業車に あこがれた幼少期。 技能を磨いて、 電力インフラを担う存在へ。
社会インフラ統轄本部 東京配電支社 品川営業所 入社6年目(取材当時) 工業高校電気科卒
Y.T
社会インフラ統轄本部 東京配電支社 品川営業所 入社6年目(取材当時) 工業高校電気科卒
Y.T
subject01
第二種電気工事士の資格取得に挑戦。
インターンシップで感じた仕事の魅力。
幼い頃から、ものづくりが好きだった。船や家などの模型や電気で動くプラモデルなど、ものができあがっていくプロセスに心がときめいた。ものづくりへの興味から工業高校の電気科に進学。とは言っても、初めから貪欲に勉強に取り組んだわけではない。勉強することの面白さを実感したのが、高校1年生の終わりころからだったとTさんは言う。それは資格取得に向けた勉強を開始したときだった。

「卒業後の就職を考えたとき、『資格があると有利。だから在学中に取得するといい』という先生の勧めもあり、第二種電気工事士の資格取得へ挑戦することにしました。それがちょうど高校1年生の終わりの頃。小学校、中学校、高校と勉強を続けてきましたが、初めて勉強することが面白いと感じました。見るもの、触れるもの、すべてが新鮮。校内で課外授業もあり、電気の理論とその実技を通じて、新しいことを吸収していくことが、これほど楽しく、ワクワクするということに感動しました。そして、高校2年生のときに無事資格を取得することができました」
Tさんは、資格の勉強と並行して部活動にも打ち込んだ。それは、小学1年生から続けてきた野球。高校2年生からレギュラーとなり、ポジションはセンター。強肩、強打者としてチームの勝利に貢献した。野球を通じて、基本的な礼儀を身に付けたことに加え、仲間とともに一丸となって勝利を目指すチームワークやコミュニケーションの大切さを学んだと言う。野球を続けつつ、高校2年生になって就職を意識し始めた。そしてその年の夏、関電工のインターンシップに参加した。
工業高校時代のY.Tさん
工業高校時代のY.Tさん
「最初から関電工に興味があったわけではありません。インターンシップに参加したのは、友人に誘われたのがきっかけ。ただ、関電工とはちょっとした縁があったのです。母親から幼い頃の写真を見せてもらったのですが、それは『働くクルマ大集合』というイベントで、関電工の高所作業車に乗っている自分の姿。記憶にはないのですが、不思議な縁を感じました。そしてインターンシップの現場見学で出会ったのが、その高所作業車であり、率直にカッコいいと思ったのです。同時にこの会社に入りたい、高所作業車に乗って仕事をしたいと思いました」
subject02
一刻も早く電気を届けたい。
災害復旧で感じた仕事のやりがい。
Tさんがインターンシップで出会った高所作業車は、電力を安定供給するための架空配電設備である電柱や電線、変圧器等の新設・改修工事に使用されるクルマだ。そのカッコ良さに加え「身体を動かす仕事がしたい」「自分の手で何かを作りたい」と思っていたTさんにとって、架空配電線工事は自分が思い描いていた仕事でもあった。また関電工は、大規模な電気工事も扱っており、仕事の幅の広さにも魅力を感じた。高校3年生の秋、入社試験。半月後に合格の通知があった。自信はあったが、合格したことに改めて喜びをかみしめた。Tさんは、技能職として架空配電線工事の仕事を志望。入社後、茨城県牛久市にある人材育成センターで研修を受けることになった。

「朝6時半の起床から始まり、夕方5時まで研修というスケジュール。学生気分が払拭され、社会人としての自覚が生まれたと思います。人材育成センターで半年間研修を受け、その後現場で3ヶ月の研修、再び人材育成センターで2ヶ月の研修があり、現在の職場に配属されました。非常に手厚い教育研修体制であり、不安なく実務に入ることができたと思います。架空配電線工事は、電柱や電線、変圧器等の設置や点検、保守を行う業務ですが、重要なことは周囲と自身の安全確保と、工事によって電気を止めないこと。人の手で行う作業ですから、常に細心の注意と丁寧さが求められる業務です」
電線が入り組む場所は、干渉しないよう精密なクレーン操作が必要。
電線が入り組む場所は、干渉しないよう精密なクレーン操作が必要。
正式配属されて間もない2019年夏。Tさんは災害復旧に対応することになった。その年、千葉エリアを大型台風が襲い、各所で大きな被害が出た。「停電」が各所で発生し、早急な復旧が求められたのだ。通常は東京都内を担当しているTさんだが、応援要請を受けて現場に駆け付けた。

「現場に到着して唖然としました。台風の猛威はすさまじく、電柱は倒れており、当然電線も切れている状態。何から手を付けていいのかわからないほど現場は混乱していました。私たちは通常、図面を元に架空配電線工事を行うのですが、災害復旧現場に図面はありません。とにかく電気を早く通すこと、電気の復旧が求められました。早くお客様に電気を届ける、その想いで復旧に取り組みました。強く印象に残っているのは山間部の家に電気を届けたことです。電柱を立てている余裕がないため、約100mのケーブルを、地面に這わせて運びました。作業自体は大変でしたが、その際地元住民の方々から『ありがとう』という言葉をいただき、心からやりがいを感じました」
subject03
安全、チームワーク、
コミュニケーション。
作業長を目指して、
技能を磨いていく。
現在Tさんは、入社6年目。東京23区の一部エリアを5名のメンバーからなる作業班で担当している。憧れだった高所作業車は入社3年目から与えられた。いわば、業務上の「マイカー」であり、中型車免許のみならず社内の高所作業車運転技能講習の資格取得に加えて、架空配電線工事に関する一定の知見を身に付けるなど、高所作業車を付与されることは、独り立ちの証でもある。

「現場では、メンバー全員が『安全最優先』を共有して作業に取り組んでいます。たとえば電線の新設や張替え工事。発電所で作られた電気は送電線や変電所を経由して送られてくるわけですが、その後、高圧線から低圧線を経て各家庭やオフィス、工場など届けられることになります。架空配電線工事では、作業の一環で高圧線に触れる必要がありますが、ホットスティックという道具を用いた間接工法で、ケーブルに直接触れることなく作業を行います。とはいえ、危険作業であることは否めませんから常に『安全』への高い意識が必要です。またメンバーとのチームワークも重要。わからないことは先輩に聞いてアドバイスをもらうなど、密なコミュニケーションを大切にしています。私が所属する作業班だけでなく、営業所全体が和気あいあいとした雰囲気。働きやすさを実感しています」
現場付近でもしっかりミーティングを行ない、作業を進める。
現場付近でもしっかりミーティングを行ない、作業を進める。
架空配電線工事は、単に電線や電柱等の設備の新設、改修工事を行えばいいというものではない。たとえば電線を張る際、そこに「たわみ」があっては美しくない。Tさんがこだわるのは、安全のみならず、仕上がりの美しさだ。

「重要なライフラインである電線や電柱は、一般の人の目にも触れる設備です。仕上がりや出来上がり具合、見た目をいかにきれいに仕上げるか。それが日々追求していることです。見た目が美しければ、それは安心にも繋がると思います。私たちの仕事は『職人』的なところがあると思いますね。自動化できる作業ではなく、その仕上がりの良し悪しは人の手にかかっています。架空配電という領域で『匠の技』のようなものを目指していきたいと思っています」

人々の生活になくてならない電気。その安定供給を担うやりがいとともに、更なる技能を自身のものにしていくことに魅力を感じているというTさん。今は中堅社員として後輩の指導も担当するようにもなった。目指すのは、一つの班をマネジメントする作業長だ。その達成に向けて、着実に成長の階段を上っていく。